唐澤まゆ子

Biography - バイオグラフィー
 

唐澤まゆ子 (メゾ・ソプラノ)

 大阪に生まれ、神戸女学院大学声楽家を首席で卒業後、パリ国立高等音楽院声楽科を経てパリ国立音楽院で古楽を学びディプロマを修得。
 指揮者ウィリアム・クリスティに見いだされ、彼の率いるアンサンブル「レザール・フロリサン」に日本人歌手として初めて参加する。他、指揮者ダニエル・ハーディング、ジェフリー・テイト、エヴリーノ・ピド等と共演、ロンドン・バービカンセンター、パリ・シテ・ド・ラ・ミュージック、スイス・ジュネーブ大劇場、アヴィニョン劇場などで研鑽を積み、ヨーロッパを中心にオペラ「ペレアスとメリザンド」「オルフェオとエウリディーチェ」「子供と魔法」「後宮からの誘拐」「コジ・ファン・トゥッテ」「愛の妙薬」等多数に出演、数々の国際音楽祭にも出演を果たす。
 2003年、日本フランス大使館後援にて、ケネス・ワイスとのコンサートを東京(サントリーホール)と大阪(イシハラホール)で開催した折、歴史に埋没していたマリー・アントワネット作詞・作曲の楽曲を日本で初めて発表。同年、CDデビュー「アントワネット〜パリからの絵葉書」(デッカ/ユニバーサル・ミュージック)を機に日本での活動を開始。
2004年、第33回「ブルーメール賞」受賞、「モストリークラシック」選定による「デビューof the year」に選ばれ、2005年に「なつかしい未来〜日本のうた」をリリース、ダルトン・ボールドウィン等を迎えリサイタル活動を展開する。又、同年、「愛知万博」のシンボル曲(作曲:エリック・クラプトン)を歌い、2006年には、作・演出・なかにし礼による「世界劇・黄金の刻」(日本武道館)に出演、2008年に日本大学カザルスホール(東京)、いずみホール(大阪)、白寿ホール(東京)にてリサイタルを行い、京都・ファッションカンタータに出演するなど、多彩に活動する。
2011年、マリー・アントワネットに所縁のある音楽を集めたCD「L’Art of Marie-Antoinette」をリリース、同年に収録した「コドモノクニから生まれた童謡」は、書籍『コドモノクニ名作選 夏』として発売され、テレビ朝日「題名のない音楽会」に出演。
2012年はラモー作オペラ「プラテー」の日本初演にフォリー役で出演、2013年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで「カルメン」等のアリアを、11月には北とぴあ国際音楽祭参加公演で西村朗やベリオ等の現代曲にも挑戦し、好評を得る。
 一方、ヨーロッパでは、2006年ヴェルサイユ宮殿内にて自らの企画コンサートを行い日仏文化交流に努める他、2007年にはパリ郊外にあるバロック音楽の拠点ポワッシー劇場と契約し、
2008年、パーセル作曲・オペラ「ダイドとエネアス」(アラン・カーティス指揮)、17世紀以来の上演となるロッシ作曲・オペラ「魔法にかけられた宮殿」(クリスティーナ・プルアール指揮)でカウンターテノールのフィリップ・ジャルスキーとも共演し、実力を発揮した。同年秋にはアン・デア・ウィーン劇場の新シーズン・プログラムに唯一の日本人ソリストとしてキャスティングされ、グルック作オペラ「エツィオ」(アラン・カーティス指揮)のオノリア役で出演。この公演はフランスでライヴ・レコーディング(バージンレーベル社)され、映像はチャンネル・メッツォで放映された。
2009〜10年はスイスを拠点とするカペッラ・ジェネヴェンシスとシーズン契約し、ラモー作オペラ「インドの優雅な国々」、パーセル作「フェアリー・クイーン」等をジュネーブやパリで歌う。
2010年〜12年、テアトル・デウ・ラ・メッツァニーヌによる、パーセル作オペラ「ダイドとエネアス」の40公演に上るヨーロッパ・ツァーにベリンダ役で参加。2010年度レ・シム・ドゥ・ヴァルディゼール・アカデミー国際音楽コンクールのアーティスト企画部門賞を受賞。2012年にはニゲラ国際音楽祭に招かれバロックリサイタルを、ツルゲーネフ美術館のマスネー没後200年コンサートに出演、2012〜14年はオランダのCultura Nova国際楽演劇祭で初演された「エデン・パラス」で、ヴェルサイユ時代の歌曲やオペラアリアを歌い、その後フランス国内ツァーの50公演に参加。
2013年よりソプラノからメゾ・ソプラノに転向。アンドレ・ル・ノートル没後400年記念したバロックリサイタルをパリ・ジャルダン・ドゥ・ラ・パゴードで行い、リュリ、ラモー等のオペラアリアを歌い好評を得たほか、ランスオペラ劇場でペクー作オペラ「カーニバルの夢」初演にカスタ役で出演。
2014年は初演以来の上演となるアーン作オペラ「仏陀の白鳩」の主役ジョンキーユ役を歌うほか、パリ・オラトワール・ルーブル教会にてバッハ作カンタータBWV208「狩のカンタータ」に出演。
来シーズン(2014-2015)は、パリ・ラヌラグ劇場での追加公演リサイタル、アーンのオペラ「仏陀と白鳩」の地方公演、ラモーのオペラ「プラテー」のジュノン役、グルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のオルフェオ役での出演を予定している。 フランス在住。